良い商品があるのに、なかなかアクセスや売上につながらない。それもそのはず、今は毎日スマホからたくさんの通知がくる情報過多の時代。江戸時代の1年分の情報を現代ではたった1日で得ていると言われています。これでは自社の商品は埋もれていくいっぽう・・・
では、消費者に本当に欲しいものを見つけてもらうにはどうすれば良いでしょうか。
結論を先にお伝えします。インフルエンサーというフィルターを通して消費者に商品を紹介してもらうのです。
この記事では、インフルエンサーマーケティングをこれから始めようとしている、始めたけど思うように結果が出なかった。そんな方向けに書きました。
インフルエンサーマーケティングは、ECとの相性も良く、私個人的にも実際の運用成果での手応えを実感していて、今後もマーケティング戦略として有効であると予測しています。インフルエンサーマーケティングで良い実績を上げたいあなたに、ぜひ本記事を参考にしていただきたいです。
インフルエンサーマーケティングとは
さて、「インフルエンサーマーケティング」という言葉は知っているけどあまり詳しくは知らない。という方のために、インフルエンサーマーケティングとは何か?というところからご説明します。知っているよという方は、次の項目に飛ばしてくださいね。
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサー(影響力のある個人のユーザー)を活用して製品、サービス、ブランドなどを宣伝するためのマーケティング戦略の一種のこと。
Youtubeで企業案件としてPRしている動画がそれにあたる というと分かりやすいかもしれません。
この戦略は、インフルエンサーが持つ信頼性やフォロワーへの影響力を利用して、商品やブランドに関心を持つ人にアプローチすることを目的としています。
インフルエンサーマーケが流行った背景
初めてインフルエンサーマーケに携わる方は、一体どのようにして、この戦略が流行ったのか、次に説明する背景を知っておくことで、今後この戦略を実行していく目的が明確になるため確認しておいてください。
①SNSの普及
SNSプラットフォームの普及が急速に広がり、多くの人々が日常的にSNSを利用するようになりました。これにより、個人やコンテンツクリエイターが大規模なフォロワーベースを構築し、その影響力を利用して広告や宣伝を行う機会が拡大しました。
②広告のブラインドスポット
古くからある広告媒体や宣伝方法に対する消費者のブラインドスポット※ が増加しました。テレビ広告やバナー広告などは、多くの場合、広告をスキップしたり無視したりすることが一般的になってしまい、広告主が消費者にアクセスする難しさが増しました。一方、インフルエンサーマーケティングは、フォロワーとの密接な関係を通じて消費者に訴求するため、ブラインドスポットを回避しやすくなりました。
※ブラインドスポット・・・戦略的に思いもよらない事態や環境に陥り、競争優位を失ってしまう状況を引き起こす、企業が抱える「死角」「盲点」のこと。
③個人的な結びつきによる信頼性
②の背景につながりますが、インフルエンサーは一般的に自分自身の個性や信頼性を持っており、そのフォロワーとの強い結びつきを築いています。これにより、インフルエンサーの推薦や意見は消費者にとって信頼性が高いものとなり、製品やブランドに対する興味を引き起こしやすくなるのです。
④コンテンツの多様化
インフルエンサーは、様々なコンテンツ形式で配信や投稿を行います。動画、写真、ストーリー、ライブ配信など、さまざまなメディア形式を活用してコンテンツを制作し、消費者に訴求することができます。また、YoutubeやInstagram、Tiktokなどプラットフォームも増えています。これにより、広告キャンペーンを多様化し、異なるオーディエンスにアプローチできるようになりました。
⑤効果測定の向上
デジタルマーケティングの発展に伴い、インフルエンサーマーケティングの効果を測定し、ROIを評価するためのツールや指標が向上しました。広告主は、費用(投資)対効果を確認しやすくなり、戦略の最適化が可能になりました。
これらの要因が組み合わさり、インフルエンサーマーケティングは急速に成長し、現代のデジタルマーケティング戦略の重要な一部となっています。
ただし、気をつけたいポイントが、規制・信頼性の問題に対処すること。業界全体がこれらの課題に対処し続けています。その課題については、この記事の後半でお話します。
▼後半へスキップする場合はこちらをクリック
ステマ規制が厳しくなります(2023年10月から)
ソーシャルメディアマーケティングの市場規模
ソーシャルメディアマーケティングの市場規模について、市場動向調査を行ったデータがありましたので引用させていただきます。
2023年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場規模は1兆899億円。
今から4年後の2027年のソーシャルメディアマーケティング市場規模は、2023年比約1.7倍、1兆8,868億円に達すると予測されています。
また、米ソーシャルメディア支援会社オラピックによる調査では、「生活者の63%が、購入前に商品をSNS上で探している」という結果もでています。
上記の調査結果から分かるように、ソーシャルメディアマーケティングは多くの企業にとって重要な要素となっています。しかし、重要なのが戦略的なアプローチと、効果測定と戦略の最適化を行うことも重要になってくるため、リソースの適切な配置も大事になります。
インフルエンサーマーケを活用するメリット
では、インフルエンサーマーケを活用するメリットについてお話します。
ターゲティングしやすい
年齢、性別、生活環境など、自社の商品ターゲットに合った層とインフルエンサーを一致させることで、ターゲティングの精度が高くなります。
また、ターゲティングを一点集中に絞るのではなく、テストマーケティングとして仮説をたて、幾つかのターゲットに狙いを定めて、その内のどのジャンルのインフルエンサーが効果が高かったか、ということも実験することも可能です。
二次利用ができる
インフルエンサーに投稿してもらったクリエイティブを自社のマーケティングに取り入れる企業が増えています。
活用方法として、例えば、インスタグラムで投稿しているユーザーに対して、利用承諾を得たうえで、自社のインスタアカウントに掲載(リポスト)したり、自社ECサイトの商品ページに掲載することも可能です。インフルエンサーが作成したクリエイティブは、実際使用するときのイメージが膨らみやすく、商品購入を検討する人の後押しする大きな影響を持ちます。
こういったコンテンツ増やしていくことで、半永久的に影響を与えるクリエイティブが蓄積できるため、自社の資産にもなるといえます。
※投稿したクリエイティブは投稿したユーザーのものです。活用する際には、事前に投稿者の承諾を得ることが必須になるため気をつけてください。
消費者目線のレビューを発信してもらえる
インフルエンサーに実際に自社の商品を使用してもらい、レビューをいただくことで、我々が気づきもしなかった用途で使用できるポジティブなことが分かったり、反対に今まで気づかなかった商品の問題点を知ることが出来たりします。商品を改良したり、見せ方を変えたりなど、改善点が見えてくるかもしれません。インフルエンサーを巻き込み、改善を重ねて一緒に商品を育てる といった関係性ができると、自社のファン化に繋がっていきます。
有難いことに、私が携わったプロジェクトでは、毎回価値のある気づきを頂けています。そのためこの点は私がインフルエンサーマーケをおすすめする大きな理由の1つです。
ECと相性が良い
インフルエンサーがECサイトへのリンクを掲載してもらうことでトラフィックを誘導できます。このトラフィックは、ECサイトでの売上を増加させる機会を提供し、新たな顧客を獲得する手助けをします。
データ分析ができる
- エンゲージメント率:インフルエンサーの投稿に対するフォロワーからのエンゲージメント(いいね、コメントなど)を計測した数字。高いエンゲージメント率は、コンテンツの質やインフルエンサーの影響力を示す指標です。
- コンバージョン率:インフルエンサーマーケティングを通じてECサイトやアプリに訪れたユーザーが、実際に購買へ繋がった割合を計測します。コンバージョン率は、効果を直接的に示す重要な指標になります。
- クーポンコードやトラッキングリンク:インフルエンサーに特別なクーポンコードやトラッキングリンクを使用して、インフルエンサーからのトラフィックや購買を特定できます。これにより、インフルエンサーごとのパフォーマンスを評価しやすくなります。
これらの指標とアプローチを組み合わせて、インフルエンサーマーケティングの効果を評価し、戦略のPDCAを最適化することができます。
デメリット
次に、デメリットをお話します。
インフルエンサー選定が難しい
どのインフルエンサーに依頼すれば良いのか?初めて取り組む方にとって、インフルエンサーに支払う報酬の相場感が不明瞭なためそのハードルが高くなると思います。
発信内容のコントロールが難しい
インフルエンサーが発信する内容は、インフルエンサー自身の環境や言葉で表現するクリエイティブなので、企業側が100%コントロールすることは難しいです。そのため、事前にコミュニケーションを十分に取って自社商品の理解を深めていただき、ある程度の構成やたたき台などを共有してもらうことをおすすめします。
インフルエンサーマッチングサイト
インフルエンサーマッチングサイトを利用すると、インフルエンサーのリサーチコストを抑えられ、効率的に実施することが出来ます。
talema.
talema.は、YouTuberのマッチングに特化したプラットフォーム。月額利用料金はかからず、アカウントを登録すればすぐに登録YouTuberを検索できます。YouTuberは希望報酬金額を公開しているため、相場感を確認でき、予算に合わせて取り組みができるのが大きな利点。担当者からのサポートを受けられるのも嬉しいポイント。
料金:インフルエンサーへの支払報酬の20%が手数料
インフルエンサーワークス
インフルエンサーワークスは、月額定額制(5万円)で無制限にPRすることができます。宣伝商品の数や依頼する人数、SNSの種類に制限がないため、自由度高く宣伝できます。初めは事前にインフルエンサーの情報をみることが出来ないのが不安材料となってしまいますが、多くのインフルエンサーが登録しています。詳しい分析レポートがプラットフォームから確認できるのが嬉しいポイントです。
料金:月額5万円〜
ステマ規制が厳しくなります(2023年10月以降)
ステマ(ステルスマーケティング)規制は、ステルスマーケティングと呼ばれる広告手法を制限し、透明性を確保するための規制やガイドラインを指します。ステルスマーケティングは、広告や宣伝の一環として行われるものでありながら、広告であることを隠したり、明示しなかったりすることを特徴としています。
詳しくは以下のサイトを参考にしてください。
出典:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。 – 消費者庁
参考になる本
ECmateでは、ECの運用全般に関するご相談・EC商品企画開発のご相談を受け付けております。ぜひ、お気軽にお問合せください。
参考資料
・【市場動向調査】2023年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆899億円、前年比117%の見通し。2027年には2023年比約1.7倍、1兆8,868億円に – PR TIMES
コメント